私は最近、最小限の筋力で維持できる楽な姿勢のことを【省力姿勢】と表現しています。
体にとって省エネな姿勢であるため、
・疲れにくい
・体に緊張、コリが生じにくい
・筋肉の拘縮による痛み(腰痛、首痛など)が起こりにくい
・血行障害による頭痛などの予防
といった効果が見込めます。
つまり、常にリラックスできて楽に生活できる姿勢です。
動画付きで解説しています。
省力姿勢とは軸が通った姿勢
省力姿勢とは、簡単にいえば軸が通った姿勢のことです。
優れたアスリートの立ち姿を見ると、体の中心にまっすぐな軸が通ってスラっとして見える感じがあると思います。そして、余計な力みがなくリラックスしているように見えますよね。
これが軸が通っている状態です。
私の定義では、より詳しくいうと「重力と地面からの反発(反力)を効率よく使える状態であるときに、体の中に通る身体感覚」が軸であると考えています。
座っているときも立っているときも、軸が通っていると余計な筋力に頼る必要がありません。そのため、リラックスして最小限の筋力でいられるため、疲れや過緊張・コリが生じにくいのです。
参考▶【楽に体を使うポイント】2つの外力を使って心身をリラックスさせよう
省力姿勢のつくり方
省力姿勢をつくるには、
①体幹の骨格をコントロールできること
②特定のエリアにしっかり意識が入り、使えること
③地面とつながって軸ができること
の3点が重要になります。
①体幹の骨格をコントロールできること
体幹の骨格とは「骨盤」「背骨」「肋骨・胸骨」「肩甲骨・鎖骨」です。これらの骨をしっかり感じながらコントロールする練習が大事です。
この練習によって「ここにこの骨がある」「ここがこう動いている」と脳が認識できるようになり、
・姿勢や動きを整えやすくなる
・体の実在感、「今ここに集中する意識」が高まる
・リラックスできる
といったことが可能になっていきます。
具体的な体操は後ほど紹介します。
参考▶骨格コントロール(分節運動)が大事である理由:位置覚について
②特定のエリアにしっかり意識が入り、使えること
特定のエリアとは、特に省エネでの姿勢や動きをするために大事な、下記のようなポイントです。
たとえば脇下の意識が抜けている方はとても多いですが、この意識が抜けると「巻き肩」「肩が上がりやすい」「首や肩がこりやすい」「腕を傷めやすい」「腕力がない」といったことにつながります。
そのため、これらのエリアの意識を濃くすることも大事です。
③地面とつながって軸ができること
地面とのつながりは、
◎地面を押して反発力を感じる
◎その反発力を使って体を動かす
というトレーニングをすると、次第に分かってきます。
たとえば、私はよく地面を押しながらストレッチする【反力ストレッチ】というやり方をお伝えしていますが、これをやると反発力を体に通すことが分かってきます。
こうして地面とのつながりを強くすると、軸という意識ができてきます。
省力姿勢をつくる基礎(体操)
下記では、すでにInstagramで配信済みの動画を整理して紹介します。
骨格コントロール力を高める
軸をつくる
体の感覚(感じる力)を高める
この記事はブックマークなどに登録して、いつでも参照できるようにすることをおすすめします。
まとめ
この記事では簡略化して紹介していますが、基礎的なレベルなら上記を実践していけば体が整っていくはずです。
ただ「軸をイメージする」だけでは省力姿勢になりません。また「いい姿勢」を意識して背骨のカーブなどを頑張って維持しても、やはり省力姿勢にはなりません。
いつも楽でいられる省力姿勢をつくるには、それができるための土台をつくることが大事で、それが体や地面を感じる力です。
体はすぐには変わりませんが、続ければ着実に変化が見られます。未来の自分の健康のためにも、今から地道に実践することをおすすめします。
コメント
このような視点で丁寧に公開してくださること とても有り難く感謝の気持ちでいっぱいです。
わたくしどもは 病床にて出来ることをやらせてもらっています。
長患いですと気持ちもふさぐことも度々ありますが 自分が過緊張体質であったことを知るきっかけにもなりましたし まだ改善の余地があるのではと 希望も持てました。
焦らずコツコツいきます!
コメントありがとうございます!あまり動けない状態だと、筋肉も固まりやすいかと思います。とにかく少しずつ、無理のない範囲で背骨、体幹を動かすと体はいい状態に近づくのではないかと思います。マイペースに体と向き合ってみてくださいね。