なぜ勝ち負けにこだわるのか?欠乏感による心の動揺を自覚しよう

現代人の悩み

多くの現代人には、勝ち負けや優劣の価値観が根深く染みついている。私たちは無意識のうちに他人と自分を比較し、「どちらが優れているのか」「自分が勝っているのか」といったことに敏感になることがある。私自身も、こうした勝ち負けや優劣に対する価値観に引きずられ、行動や感情が揺らいでしまうことがあった。

こうした感情が湧く背景には、自分がまだ「何か足りない」という欠乏感があるのではないかと気づいた。自分自身が十分ではない、何かが欠けていると感じるからこそ、他人と比較して「勝っている」や「優れている」ことに価値を見出し、安心感を求めてしまうのだろう。

勝ち負けにこだわる自分の弱さと向き合う

なぜ私たちは、他人と比較して自分の価値を見つけようとしてしまうのだろうか。

それは、根底にある「自分を受け入れられていない」という不安が影響している。私たちは、無意識のうちに「自分はまだ十分ではない」という思い込みを抱えているため、他人に負けることで簡単に傷ついてしまう。そのため、他人よりも優れている部分を探し出し、それに自己満足したり、それを言葉にしてマウントを取ってしまう。

(言うまでもないが、マウンティングは傷つきやすさの裏返しだ)

自分が揺らいでしまうのは、まだ自分自身のプライドの高さや、傷つきやすさ、弱さなどの面を受け入れられていないからだ。これに気づくことで、自己受容の深めるチャンスがやってくる。

勝ち負けと自己受容

自己受容を深めるためには、単に「自分を受け入れる」と決意するだけでは足りない。

自己受容とは、日々の生活の中での実践的な行動や選択を通じて、少しずつ築かれていくものだ。たとえば、日々の中で感情が揺れ動く瞬間、勝ち負けや優劣にこだわってしまう瞬間を捉えて、その背景にある欠乏感や傷つきやすさに向き合うことが重要だ。

「ああ、自分の弱さ、傷つきやすさを受け入れられないから、他人に勝ろうとしてしまうのだな。どうでもいい勝ち負けにこだわってしまうのだな。」と気づければ問題ない。

具体的には、SNSで他人の成功を見たときに感じる嫉妬や焦り、それがどこから来るのかを自問してみる。あるいは、仕事で他人に負けたと感じたとき、その感情がなぜ湧き上がってくるのかを深掘りする。このプロセスを繰り返すことで、自分の中にあるプライドや傷つきやすさ、弱さと向き合うことができる。

さらに、このように内省を深めると人を見る目も育ってくる。以前は「強そうだ」「魅力的だ」「タフだ」と感じていた人が、実は弱く、優劣にこだわり、自分軸で生きることができていない人だと気付くかもしれない。

こだわりを手放し内省を深めるためのアプローチ

ここで、内省を深めるためのいくつかのアプローチを紹介したい。

  1. 感情ジャーナルをつける:自分が感情的に揺れた瞬間を日記に記録し、その感情の背後にある欠乏感や不安、恐れについて考えてみる。文字にすることで、頭の中で曖昧だったものが具体化され、より深い理解につながる。
  2. 「なぜ」を繰り返す自己探求:何かに傷ついたり揺れたりしたときに、5回「なぜ?」と自問することで、感情の根源にたどり着く。たとえば、「なぜ他人の成功が気になるのか?」という問いを繰り返すことで、自分の本当の思い込みや恐れを探ることができる。
  3. 直感を信じる小さな行動を試す:勝ち負けや優劣にこだわりそうになったときに、あえて自分の直感に従って行動してみる。それがどんなに小さなことであっても、自分の心の声を信じて動くことで、自己受容が少しずつ進んでいく。
  4. マインドフルネスを取り入れる:瞑想・マインドフルネスを通じて、自分の感情をただ観察する時間を持つ。感情が揺れたときに、反応せずに「今ここ」で感じていることを観察することで、自分の内側から湧き上がる感情や欠乏感に気づくことができる。

まとめ:勝ち負けや優劣のこだわりで苦しめられないために

  • 欠乏感や勝ち負けの価値観に揺らいでしまうのは、自分自身をまだ完全に受け入れられていないからだ。
  • しかし、その感情を受け入れ、内省の機会として活用することで、自己受容を深めるきっかけになる。
  • 日々の生活の中で、自分の感情が揺れる瞬間に注意を払い、それを自己理解のためのチャンスとして捉えることで、自分の弱さやプライドを含めて、より深く自分を受け入れることができるようになる。

どのような勝ち負けや他人との競争も無駄だというわけではない。ただ他人が作ったモノサシで競争したり、自分を受け入れられないために過剰な努力をするのは、自分を苦しめる行為になる。自分を受け入れた上で、それでもこれがやりたいという本心があるなら、それに従って本当の努力をすればいい。

たとえ他人からジャッジされあなたの価値が決められる機会があるとしても、それはあなたの一部でしかないということを忘れないことが大事だ。

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